ドリブルスキルはどこまで必要?①
ステフィン・カリーやカイリー・アービングなどのこれまでのハンドリングスキルの常識を完全に覆すようなプレイヤーの登場でドリブルスキルに対しての考え方は大きく変わりました。ドリブルチェンジやクロスオーバー、チェンジオブペースの技術などを細かく分類し、ワークアウトで育むことを目指す人々が大きく増えました。一方で不必要なほどクロスオーバーを重ねたり、ドリブルをこねすぎたりすることを無駄、悪としてそういったワークアウトを重要視しない人たちもいます。今回はドリブルスキルとはどういったものなのか、何故ドリブルを嫌う人がいるのか、どういった練習をするべきなのかについて解説します。
ドリブルワークアウトの多様化
ドリブルの練習は長らく、左右の手で高さを変えてドリブルをし、フロントチェンジ、レッグスルー、バックビハインドを行う環境ばかりでした。それに加えてインサイドアウトや、それらのドリブルを動きながら行う程度と、種類が少なかったです。
ドリブルテクニックの種類の増加
現在、ドリブルテクニックの種類は増えています。代表的なのがポケットドリブルです。ダブルドリブルにならないギリギリの範囲で懐でボールを抱えるドリブルですが、技術として名前がつく前から自由な発想でこのプレーを行う選手もいました。現在では名前がつけられてピック&ロールやドリブルのリズムを変えるために必須な技術として体系化され、取り入れられています。
他にもシャムゴッドやインバートなど、名前がなくとも使われていた技術を分類、体系化して有効活用する方法を考え、ワークアウトとして取り入れられるなど、ドリブルの技術は増え続けています。
オフェンスフットワークの概念
ドリブルで相手を翻弄し、ドライブで抜き去る選手を「ハンドリングがすごい」と表現することは多いですが、実際に優れているのはドリブルのリズム、方向の変化に遅れることなくついてくるオフェンス時の足捌き「オフェンスフットワーク」です。ドリブルを細かくついたり大きくついたり真逆の動きをするときに常に正しいリズムで足を動かすことができ、前後左右正しい位置にイメージ通りに足を動かすことは想像以上に難しいです。
センスのあるプレイヤーはこれを考えなくとも自然に使いこなすことができますが、そうでなければ意識して練習しなければうまくはできません。コーンやマットを使いながらドリブルと一緒にオフェンスフットワークとしてワークアウトで多く取り入れられています。
ドリブルワークアウトが嫌悪される理由
上記のようなドリブルワークアウトは一定の層に嫌われる傾向があります。
ターンオーバーのリスク
1回のオフェンスでドリブル回数が増えるとそれだけターンオーバーの確率が上がります。難しいドリブルチェンジやリズムの変化をつけようとするとミスに繋がりやすく、また視界が狭くなりやすいので周囲の様子もわからず、パスチャンスを見逃す、カバーディフェンスに気づかずスティールされるなど、ドリブルが増えることにはデメリットが多いです。
試合との関連性
「AND1」を筆頭とするストリートバスケではドリブルの派手さが勝敗と同じほどに優先されることもありますが、基本時には学生バスケではそういったことはありません。むしろなるべくパッシングで効率よくボールを運び簡単なシュートを作ることを目標とするため、その場でこねるようなドリブルは試合との関連性が低いシーンも多くあり、そういった面から不必要な技術として毛嫌いされがちです。
おわりに
今回はドリブルスキルの進歩と変化、ドリブルワークアウトが嫌われる理由について解説しました。新しい技術、考え方であることから受け入れ方は人によって違いますが、カイリー・アービングの得点スキルやステフィン・カリーのプルアップシュートを含めたハンドリング能力がNBA、ひいてはバスケ全体にどれほどの影響を与えているかを考えればその有用性は言うまでもないことでしょう。
次回はどういったドリブルワークアウトをするべきなのかについて解説します。
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