ポイントガードのサイズアップが止まらない②

スキルアップ

前回、ポイントガードがサイズアップしている現象についてオフェンス面から何故ポイントガードの身長が高いと有利なのかについて解説しました。今回はディフェンス面からその理由を解説し、サイズアップが止まらない理由について解説します。

マッチアップメイキング

現代バスケの重要な考えに「マッチアップメイキング」というものがあります。詳しくは別の回でご紹介しますが、簡単に言うと「有利なところから攻める」ということです。この有利不利というのはミスマッチを中心に考えられます。

ポストでのディフェンス

背の低いプレイヤーはどうしてもポストでのディフェンスが弱くなってしまいます。強くコンタクトを続けてなるべくリングから遠い位置でボールを持たせる、相手のリズムで攻めさせない、などの工夫はありますが、すぐにシュートを打てる距離のローポストなどでボールを持たれるのは非常に不利です。小さなズレでも一気に得点に繋げられますし、ズレがなくとも無理にでもシュートを打つことができます。このミスマッチを無くすためにはやはりどうしても身長が必要になってしまいます。

1on1ディフェンス

特にミスマッチが大きく現れるのがインサイドのディフェンスではありますが、アウトサイドでもそれが現れる場面は少なくありません。高さに差があるとシュートチェックに限界があり、相手のシュート率を落とすことが難しいです。キャッチ&シュート、プルアップシュートの双方がブロックはできずとも、心理的に圧を与えるためには高さのプレッシャーが必要です。
シュート以外にも簡単にパスを回されたり、リーチの差があるとそれだけで簡単にボールをキープされたりなど身長の高低差は様々なプレーの有利不利に直結します。

オールスイッチ

よほど強力な1on1をする選手がいるチームでなければ基本的にはスクリーンやピック&ロールなどを使い、戦術的なバスケをすることがほとんどです。オフボールスクリーンの場合は基本的にはスイッチはせずにスライドファイトオーバーで守り切れることが多いです。対して、オンボールスクリーンはどうしてもスイッチなしでは守れないケースも多々あります。しかし、マッチアップを見ずにスイッチをするとミスマッチを作られ、アウトサイドからもインサイドからも自由に攻められてしまいます。
逆にチーム全員にサイズがあり、中外のディフェンスをできるチームだとスイッチを選択しやすくなります。スクリーンによるズレを小さくすることができ、相手の狙ったプレーを防ぐことができるため、オールスイッチができればディフェンスは非常に有利に運べます。

オフェンスよりもディフェンスにおいて、ミスマッチがもたらす影響は大きいです。解説したオンボールディフェンス以外にもリバウンドなども高さによって大きく有利不利が生まれます。

ポイントガードのサイズアップの今後

今後もポイントガードはサイズアップを続けられることが考えられます。

トレーニング技術の進歩

これまではサイズのある選手はボールスキルや身体操作スキルが低いことが多く、ポイントガードができませんでした。しかし、現在はトレーニングの知識や理論が進歩しているためいくらでも改善することができます。これにより、身長などの変えられない部分以外のアプローチは簡単になり、より背が高く動けてボール技術も高いプレイヤーが増えていきます。

バスケの競技としての進化

スポーツは生き物であり、時代によって少しずつ変わっていきます。戦術の流行り廃りもあれば、ルールの変更などもあります。その中で活躍できるプレイヤーも時代によって大きく変わっています。それらは少しずつ上位なものへとなっていき、欠点は少しずつ減らされていきます。シュートが下手、ボールキープができない、パスが苦手、ドリブルをつくとターンオーバーをしてしまう、これらはわかりやすい欠点でありレベルが上がると同時に淘汰されていきます。同じようにサイズも大切な要素で、サイズがある方が有利な場面の方が圧倒的に多いため、サイズのない選手は少しずつ淘汰されていってしまいます。10年前であれば180センチ代で活躍している選手は多くいましたが、現代のNBAでいえば、最前線で活躍するのはクリス・ポールのような圧倒的なハンドリング力、プレーメイク力、駆け引きのうまさなど他の技術が余りあるほどある選手だけです。

おわりに

今回はディフェンス面からポイントガードのサイズアップについて解説しました。続いてサイズアップしていくバスケについて考察しました。どうしてもサイズがあることが有利ということは拭えませんが、クリス・ポールのように他の技術を合わせれば対抗することも不可能ではありません。サイズがないだけで諦めなければならないということは決してありません。全てを理解した上で自身のもてるものを全て活用してプレーしましょう。

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