【指導者】選手が成長するための声のかけ方とは
伸び悩んでいる選手や、言ったことが伝わらなかった時、「なんて言えばいいんだろう」「これで良いのだろうか」などと、選手のことチームのことを真剣に考えている貴方だからこそ、色々考えることが出てくると思います。
それは、選手を信じてあげることで解決できると筆者は案が得ています。
今回は、リング下のシュートに関して、段階を追って変化させた筆者の声掛け方法をご紹介したいと思います。
■ まだ下手だから
一見するとひどい言葉のようにも見えますが、「まだ」というところを強調することで「大きな伸びしろ」があると信じていると伝えることになります。
つまり、「君たちは上手になれると信じている」そう伝えることによって子供たちは期待に応えようとしてくれます。
ミニバスを指導する筆者は、以前リング下のシュートをよく落とす、という話を書かせてもらいました。
その時に選手たちはどうしていたかというと、弱々しいシュートを放った後にボーっと見ていました。
当然、入りもしないシュートはあっさりと相手のDFリバウンドへと姿を変えるわけです。
その頃、筆者が子供たちに毎日のようにかけていた言葉は、
『下手なのは知っているよ。君たちはまだまだだから、何回落としてもいいから入るまで打っておいで』
でした。
そうすると、子どもたちに安堵の表情が見えました。
後で聞いてみると、「落としてもいいと思ったら気楽になった」ということでした。
つまり、リング下を落とすのはマズイと子供たち自身が思っているのです。
これは、ミニバスのない中学校でも高校から始めた選手にも言えることだと思います。
■ 入るまで打つ
これは、すぐにできることではなく、一定の期間言い続けなければなりません。
1回や2回で完結することではないので、試合ごとやゲーム形式のたびに言い続けて、何度でも打つ習慣をつけるようにしていきます。
忘れてはならないのは、2本目3本目のシュートを打った時には必ず褒めることが重要です。
「落としてもいい」と気楽になった選手は、自分が落とすことを認識し始めています。
落としたシュートを拾いに行ったり、逆サイドの選手がOFリバウンドを取ったりしたときは、全力で褒めてあげてください。
『それでいい』と。
■ 入るようになってきたら次は
繰り返し言い続けていると、OFリバウンドに向かうクセが付き、何本目かででもシュートを決められるようになってくるでしょう。
そうなってきたらステップアップです。
今までを振り返って、
・まったく入らなかったこと
・1本打ったら眺めていたこと
・連続で打てるようになったこと
・連続でも落としていたこと
・打ち続けたら入るようになってきたこと
これらを再認識させてあげてください。
自分たちが成長してきたことを確認できて自信にも繋がります。
これは、あなたと選手が一緒に頑張ってきた成果なので必ずやり続けてください。
■ 急にハードルを上げる
ここまできてから筆者が行った戦略があります。
ある強豪チーム相手の試合で、言うことを変えました。
それは…
『もうそろそろ一発で決めてきて。君たちにその力は十分についているから』
そう伝えました。
実際、何回かに1回それができれば上出来ですよね。
ですが、これは筆者自身がとても驚いたことなのですが、その日の試合で選手たちはほとんど落としませんでした。
果敢にシュートを狙い、クセ付いたリバウンドにも飛び込み、ほとんど落とさなかったんです。
リング下はもちろんミドルシュートさえも、かなりの確率で決めてきました。
とは言っても、その日はでき過ぎでいつもこれができることはありませんが、結果として実を結んだ1日になりました。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか?
筆者が段階を追って行なってきて、成功した選手への声掛けをご紹介しました。
1つ1つを褒めることを忘れず、少しずつステップアップしていってください。
ポイントは、選手を信じていることと、それをきちんと伝えることだと思っています。
ぜひ、練習や指導の参考にしてみてください。