【小谷コーチの分析バスケ】ゲームのスピード化が得点力を上げています。
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こんにちは!小谷究です。
私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。
また、同大学バスケットボール部を指導しています。
前回は、ゲームの最終スコアからチームが好むゲームのテンポを読み解いてみました。
今回は、視点を変えてゲームの最終スコアについて歴史の視点から紹介したいと思います。
【1試合得点の変遷】
前回紹介したように、試合時間が48分のNBAを除き、FIBAルールの40分でゲームが行われる大会では、1チームの1試合平均得点が70点から90点の間に収まります。
しかし、1チームの1試合平均得点は今後、増えていく可能性があります。
なぜなら、バスケットボールの歴史をみると1チームの1試合平均得点は増加傾向にあるからです。
【ルール変更によるゲームのスピード化と得点の増加】
バスケットボールはジェームズ・ネイスミスによって考案され、最初のゲームは1891年12月21日にアメリカ・マサチューセッツ州のスプリンフィールドにあった国際YMCAトレーニングスクールで行われました。
この最初のゲームは終了間際に投げられたボールがゴールに入り、1-0というスコアになりました。
最初のゲームは30分で行われ、フィールドゴールは1点でした。
さて、先日、千葉ジェッツが3連覇を果たした全日本選手権大会の第1回大会は1921年に開催されました。
この大会の1チームの1試合平均得点は26.7点でした。
この当時は40分のゲームが行われ、フィールドゴールは2点でしたが、今日のような時間制限ルールや3Pラインはありませんでした。
つまり、1点でもリードしたチームは、攻めることなく、ボールをキープし、時間を消費して勝利を得ることができました。
しかし、1930年に5秒ルールが採用され、1932年に10秒ルールとともに、バックコートバイオレーションが採用されると、戦前最後の第21回大会(1943)における1チームの1試合平均得点は38.8点にまで増加しました。
さらに、1957年に30秒ルールが採用されると、大河ドラマ「いだてん」で注目される東京オリンピックが開催された1964年の第40回大会では、1チームの1試合平均得点が72.9点と今日のゲームに近い水準にまで増加しました。
その後、3Pラインが引かれ、3Pフィールドゴールエリアからの得点が3点になりました。
【スキルの向上による得点の増加】
ここまであげたように、1チームの1試合平均得点が増加した要因としてルールの変更によるゲームのスピード化が考えられます。
しかし、1チームの1試合平均得点が増加した要因にはルール変更の他に得点をとるスキルの向上も考えられます。
過去には胸の位置からボールが押し出されていたアウトサイドショットはブロックショットを避けるために、額のあたりからボールを押し出すようになりました。
ここ近年でも数多くのショットスキルが開発されています。
こうしたスキルの発展は今後も続いていくことが予想されます。
1チームの1試合平均得点が100点を超えるのもそう遠くないかもしれません。
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