【片岡編集長】東京五輪へのチケットを獲得するのはリトアニアかスロベニアか
ナショナルチームのゲームより34
6月29日(火) から、各地で東京五輪に向けた最終予選が開催されています。
原稿執筆時点では、リトアニア開催のOQTでの決勝カードはリトアニア対スロベニアとの対戦が決定しました。
スロベニアはNBAのスター選手であるドンチッチ選手を擁しています。
スロベニア代表との対戦の中、リトアニア代表としては、ドンチッチ選手のピック&ロールに関わるプレーからの失点を最大限に低くすることは、勝利の為の必須条件と言えるでしょう。
しかし、ドンチッチ選手はNBAの中でも卓越した判断力、シュート力の持ち主です。
本稿では、2019年男子ワールドカップにおけるリトアニア代表チームのディフェンスや、ワールドカップ予選の試合を題材としつつ、対スロベニア戦を念頭に分析してみます。
ピック&ロールのディフェンスの一つの選択肢が、Hard Showになると思います。今回は、その攻防を考えてみたいと思います。
1、映像&プレーの図解
プレーの考察
Hard Showのメリットは、ボールマンに負荷を与えられる事です。
デメリットは、残りの3選手のHelpが必要となる事でしょうか。
スクリナーのディフェンスがボールマンをケアする為に、スクリナーとリングとのラインから離れることになる為です。
しかし、もし、一時的にスクリナーの選手がノーマークになったとしても、動画1のように、相手チームがミスをしてくれるケースもあります。
Hard Showを交わすためのボディバランスへの影響など、周りのhelpがインサイドに到着する前にパスを出さなければならないという時間的な制約等、様々な要因が影響を与えていると思います。
このシーンは、リトアニア代表が「相手チーム(クロアチア代表)にミスをさせた」としても良いでしょう。
場面1
場面2
この点、ドンチッチは、相手のコンタクトを受けても自分自身のボディバラスを保持し、的確にプレーする能力に長けています。
また、Helpの位置を予測する能力に極めて優れている為、相手の対応を逆手に取る事も得意なプレーです。
動画2に収録したように、オーバーヘッドパスでしか出せないタイミングで、そこしかないというエリアに的確にパスを通します。
かといって、スペースを与えたない事を優先した場合も、下記のケースでデメリットが想定されます。
①Underをした場合
→高確率で3Pシュートを沈められる
②インサイドの選手がDropをした場合
→ジワジワとペイントエリアに侵入し、狭いエリアでの2対1を有効に活用し、自ら得点をする。
3、まとめ
※原稿執筆時点での情報です。
実際のゲームで、Pick&RollのDFにおいて、リトアニア代表チームがどのような戦術を選ぶかは分かりません。
Hard Showをする場合にも、40分間で継続する事も考えにくいです。
しかし、もしHard Showで守る場面があった場合には、ドンチッチがディフェンスから受けている負荷に注目すると面白いはずです。
身体的な負荷は勿論、時間的な制約、空間的な制約も影響するはずです。
そして、それを華麗に処理しディフェンス側の隙を突くプレーが必ずあるはずです。
ハードワークを厭わないリトアニア代表が五輪出場権を賭けて戦う試合の中、ドンチッチ選手が関わるPick&Rollの攻防には、多くの学びが詰まっていると確信しています。
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株式会社アップセット所属。GSL(ゴールドスタンダードラボ)編集長として記事の製作、編集、各種のイベントなどを多数実施。近年は『Basketball Lab』にて記事執筆と編集、『バスケセンスが身につく88の発想 レブロン、カリー、ハーデンは知っている』・『バスケットボール戦術学』などで編集協力として関与。トーステン・ロイブル氏を講師とするEuro Basketball Academy Coaching Clinicでは事務局を務める。活動理念は「バスケットボールに情熱と愛情を注ぐ人の、バスケ体験の最大化」・「バスケ界にヒラメキを作る」。JBA公認コーチライセンスC級保有(2021年3月にB級を受講)
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