【梅原トレーナーのからだづくり哲学】トレーニングレポート No.51

承前、１つ前のレポートではダッシュ一歩目のありがちな動作の崩れをお話しました。

脚が動かず上半身が前のめりになり、頭から突っ込むようにしてスタートを切ってしまうためにダッシュ力を落としているケースが多く見受けられます。

これを解消するためのちょっとしたコツというのが、太ももを上げる力となります。股関節の能力であり、脚の基礎的な技量と言えます。

その力の低いことを、おそらく前号の取り組みで実感した人も少なくないでしょう。

さて今回は、間接的にただし大きく影響を与えている「ドリブル」について、試みてもらおうと思います。

ドライブスピード2「ドリブル」

ドライブですから、当然ドリブルが必要です。陸上競技のように腕を振って走るだけならば、ある程度勢いと力任せでもスピードを出すことができるかもしれません。

しかしドリブルをしなければいけないとなれば、技術的な能力を備えなくてはいけません。であるのに何年も実戦経験のあるバスケットボール選手が、走りとドリブルを融合させられていない現状があります。

できる人にとってはレベルの低い話です。しかし現実には全国を回って、多くのバスケットボール選手（男女ともに）はこの単純なことを上手くできません。

だからドリブルをすると全力で走れなくなります。しかしそうであることにも気がついていません。ドリブルの悪さのせいで自分の走る技量を邪魔していることに、本人が一番驚いています。

ではあなたも、単純な腕を振るだけのスプリントとドリブル付きのスプリントを比べてみてください。

全力の走りの妨げをしないドリブルができますか？

もしかすると、ボールが手に付かずファンブルしてしまう人がいるかもしれません。それは普段と違い、ドリブルにではなく走りに意識が向けられているためです。

ダッシュつまり主に脚の動きになると思いますが、そちらに注意を払うことで、いつもはできているドリブルの方ができなくなります。しかもただ真っ直ぐに床を叩く単純なドリブルなのに、です。

これだけで、己のドリブルがダッシュの妨げになっていることを実感できるでしょう。

ということは、ダッシュ力を伸ばすドリブルを練習するのみです。そもそも素晴らしいハンドリングができる経験豊富なあなたですから、真っ直ぐなドリブルなど簡単に習得できます。

いつものごとく、このレポートでお伝えすることは秘技でも達人技でもなく、誰にでもできるシンプルな技量です。

今回はドリブル練習の様子を撮った動画がありましたので、それも載せておきます。それぞれの違いを、あなたなりに感じてください。

ダッシュに合わせてシンプルに真下へボールを叩く技術です。同じリズム、強さ、高さ、すべて一定にして脚の動きと合わせるドリブルを覚えます。

それが、なかなかできないんですね。これはドリブルの弊害、もっと言えばハンドリング練習から出る副産物です。

脚の使った動きのない中でのドリブルが、このような弊害をつくっています。

腰の横で真っ直ぐに上から突くようなドリブルを、どうぞ習得してください。肩も動き背中も動くくらいの腕全体のドリブルが必要です。

練習では、わざとらしく大げさにやってみましょう。どのような動きの場合でも同じです。ポイントを極端に表現して體に擦り込みます。それが吉です。

単純な動作なのに難しそうに苦戦している選手たちの様子も感じてもらって、どうぞご自身もチャレンジしてみてください。

一番シンプルで素直な技術をどれほど軽視し損しているか、それを実感するだけでも充分に有意義だと思います。

今回はドリブルだけの映像になります。

 

（動画１_手先だけのドリブル：IMG_3484）

 

（動画２_肩ドリブル1：IMG_3482）

 

（動画３_肩ドリブル2：IMG_3483）

 

 

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