小谷コーチの【バスケットボールを分析しよう！】「ORtg」「DRtg」「NetRtg」とは
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こんにちは！小谷究です。
私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。また、同大学バスケットボール部を指導しています。
このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。
【「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」とは】
以前紹介した「PPP（Point Per Possession）」（得点効率）は1回の攻撃権でどのくらい効率良く得点できたかを把握する指標でした。
この「PPP」に100を乗じた数値が「ORtg」（攻撃効率）という指標になり、100回の攻撃権でどのくらい効率良く得点できたかを把握する指標になります。
ORtg = TmPTS / TmPOSS * 100
反対に相手チームの「PPP」に100を乗じた数値が「DRtg」（防御効率）という指標になり、相手チームの100回の攻撃権において自チームがどのくらい効率良く守れたかを示す指標として扱われます。
したがって、「DRtg」の数値はより低い方が効率良く守れていたことになります。
DRtg = OppPTS / OppPOSS * 100
さらに、「ORtg」から「DRtg」を引くことで導き出され得る「NetRtg」（チームパフォーマンスの効率）は、どのくらい効率よく得点し、守ることができたのか、チームの総合力をあらわす指標になります。
NetRtg = ORtg – DRtg
【「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」の実際】
例えば、Bリーグ2018-19シーズンチャンピオンシップにおける千葉ジェッツの「TmPTS」のトータルは428、「TmPOSS」のトータルは374.7であることから「ORtg」は114.2になります。
ORtg = 428 / 374.7 * 100 = 114.2
次に「OppPTS」のトータルは379、「OppPOSS」のトータルは380.6であることから「DRtg」は99.6になり、千葉ジェッツの「NetRtg」14.6が導き出されます。
DRtg = 379 / 380.6 * 100 = 99.6
NetRtg = 114.2 – 99.6 = 14.6
一方、ファイナルで千葉ジェッツと戦ったアルバルク東京のチャンピオンシップにおける「TmPTS」のトータルは415、「TmPOSS」のトータルは399.9であることから「ORtg」は103.8になります。
ORtg = 415 / 399.9 * 100 = 103.8
次に「OppPTS」のトータルは386、「OppPOSS」のトータルは399.1であることから「DRtg」は96.7になり、アルバルク東京の「NetRtg」7.1が導き出されます。
DRtg = 386 / 399.1 * 100 = 96.7
NetRtg = 103.8 – 96.7 = 7.1
このように、チャンピオンシップにおける両チームの「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」を比較すると千葉ジェッツのほうがアルバルク東京よりも断然効率よく得点しており、ディフェンス面ではアルバルク東京のほうが若干、効率よく相手チームを守っていたことがうかがえるが、チームの総合力では千葉ジェッツほうが高いといえます。
もちろん、対戦相手が異なるので一概に千葉ジェッツのほうが高い総合力を保持していたと言い切るのは危険ですが、レギュラーシーズンの順位からするとレギュラーシーズンにおいても近い数値が得られることが予想されます。
ただし、Bリーグ2018-19シーズンのチャンピオンに輝いたのは千葉ジェッツではなく、アルバルク東京でした。
つまり、「ORtg」、「DRtg」、「NetRtg」はチームを評価する指標ではあるものの、これらの指標から勝敗を完全に予測することはできないのです。
それがバスケットボールであり、ゲームの面白さなのでしょう。
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