【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 トレーニングレポート号外「今そこにあるチーム崩壊の危機(上)」
スキルアップ チーム作り トレーニング メンタル(心) 指導法 梅原 淳
今回のトレーニング・レポートは、実技の動画解説でもなく講習会の様子をお伝えするのでもなく、チームづくりというものをテーマに置いてあなたと一緒に考えてみたいと思います。
日頃、バスケットボールの練習を必死に頑張っているあなたが、技術と共に作り上げていく必要のあるものが「Team チーム」です。
このふたつは共に歩むものであり、まったく別で歩き出すものでもあります。強く影響し合っていて、一方がダメになるともう一方も落ち込みます。反対に片方が良くなればもう片方も良くなる面もあります。
だからこそ、この梅原トレーニングレポートでは技術的なノウハウだけに偏らず、教育や子育てなどといった事柄もしばしば取り上げています。
今回、チーム崩壊の危機に直面した学校がありました。何処とは一切申し上げられません。名前も地域も年代も出しません。ただ一つではないと言うことだけ申し上げておきます。
その中身を細かく話したいわけではなく、あくまでチームづくりというものをどう捉え、どのように育てていくか、あなたはどのように取り組んでいるか、それを真剣に考えてみたいと思います。
▽素行不良生徒の退部
あるチームでごく最近に、一人の部員が退部となりました。試合では主力メンバーでしたが、日頃からの練習態度や試合での振る舞いがあまりに酷く、その人格が災いしていよいよ部活動をさせてもらえない状況になってしまいました。
本分である学業においても、遅刻が多く担任や教科の先生との付き合いでも悪態をつくなど、いわゆる素行不良の生徒でした。
このチームの部員は、基本的に大人しく素直で良心的な性格の子が大半です。だから口と態度の強い人間のペースに合わせたり、見て見ぬ振りをしていました。よくある傾向だと思います。
そのために、たった一人ですがその一人の素行がチームの全身を蝕んでいくことになったのです。
監督とアシスタントコーチと問題の生徒の3人で話し合った末、本人が退部を申し出ました。数週間にわたり練習のままならない状態が続いたそうですが、チーム全体でもきちんと事を精算して、今は再出発をしています。私も再開されて間もなく、トレーニング指導に伺いました。
▽失ったものは大きい
さてこれで問題が適切に解決されて一件落着、だと思いますか?
ダメなものをダメとけじめをつけることはできましたが、すでにチームは大きなダメージを負っています。これまでみんなで育ててきた我が部を愛する心、自分を仲間をチームを大切にする精神が失われたのです。
現役の彼らだけがつくってきたものではなくて、第一期の部員から積み上げてきたものです。そこに関わる全ての人の思いで、たった今の我が部は存在しています。
これまでの全ての生徒とその親御さんと、それが「みんな」です。
簡単に作られたものではありませんし、安い思いではありません。それをまた取り戻すのにどれだけの努力が必要でしょうか。
なかなかに難しいことです。
▽崩れたチームを立て直す難しさ
部員が一人減って、残りの生徒も問題と向き合い、誓いを立てて再出発を果たしました。
しかし何事も無かったかのように、以前の元気や意欲を取り戻すことができるはずもありません。辞めた部員が一人ではみ出し浮いていたわけではなく、言わば全員がデタラメな関わり方をしばらくしてきたのですから、部全体がもはや崩れているのです。
これに便乗するとか影響を受けて、自分も辞めると言い出す者もいるかもしれないし、緩んでいた手綱を締めると言われ怖じ気づく者もいると思います。
また練習や試合などだけでなく競技の外のこともまた、大きく緩まっています。今までデタラメにしてきた挨拶や掃除や身なり、道具を忘れないとか無くさない、練習時間に遅れないなど、基本的な社会的行為を植え付け直していく必要があります。
生活上の行い全体がだらしなくなっているわけですから、そこをひとつずつ心掛け、尽くしていかなくてはなりません。あれもこれもまたこっちもとなれば、気持ちが疲れてしまい嫌気がさす者も出てくるでしょう。
コーチも親も生徒も、ものすごく心身を磨り減らすことになります。
▽マイナス10を精算するには
落ち込んだものを回復させるときには、考えている以上のエネルギーと労力が必要となります。腫瘍を除去したら元通りなると浅く考えてはいけません。
上述のように、一旦崩れたものは多くの物事を巻き込んでいきます。
もしマイナス10に落ちたとすると、落ちる前の良かった状態まで戻すのにどれほどのプラスが必要と見るでしょうか。おそらくは落ちた分の10を回復すれば、プラスマイナスゼロになると考える人が多いと思います。
しかし実際はマイナス10落ちた分、そのままプラス側にも10上がる必要があって、全部で20の上昇をつくらなくては元通りにはなりません。
先に挙げた例で言うと、問題だった部員が退部となり練習が再開したことが最初のプラス10です。プラマイゼロの位置には戻り、多くの人はこれで一安心として別の部分を見ることを怠ります。
しかし現実には他にもたくさんのことが乱れていますから、それらを放置してしまえばまた同じようなことが何度も繰り返されることになります。本当の回復は、チームを洗いざらい身体検査して一から組み立て直したときであり、つまりさらにプラス10が必要ということです。
ではさらに次号(下)で考えていきましょう。
(了)
▼このメルマガを通してあなたからの質問をお待ちしています
今の取り組みに疑問や苦労があり、ヒントやきっかけを持ちたいと悩んでいる人、
今の自分と違う角度の発想や見方を知りたいと、勉強意欲を湧かせている人など、
動きづくりや体づくりについて、活路を見出したいものがあればぜひ質問をお寄せください。
トレーニングメソッド、教育、子育て、メンタル、社会時事など、あなたの知りたい事柄について、遠慮なくお伝えください。
▼宛先
・Eメール:info@basketball-school.jp
・TEL:0120-242-007 (担当:平沼)
・FAX:0120-242-215
▼募集要項
1)氏名 ※フルネーム/ペンネーム/イニシャル/匿名 などの指定があればお伝えください
2)性別
3)年齢
4)お住まいの地域(都道府県)
5)内容
▼内容
①今の状況
②自分が取り組んでいること
③改善・上達したい部分
④これまでのプロセス・経緯
どうぞ自由なテーマでお寄せください。たくさんのご意見・ご質問をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ バスケットボール事務局 おすすめDVD教材・商品■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ナチュラルパーフェクトシューティングシステム
日本人がまだ知らないシュートの常識のウソ
https://rs39.net/c/bk/ckis_1/bl/
■星澤純一の「マンツーマンディフェンスバイブル」
あなたのマンツーマンディフェンスの常識が変わる?
https://rs39.net/c/bk/ckhj_2/bl/
■星澤純一の「超シンプル化シャッフルオフェンス」
もう戦術指導に悩まないでください。
http://rs39.net/c/bk/ckhj_1/bl/
■金田伸夫の「ゼロから始める!バスケット上達法の「基本」
「先生、番狂わせって本当に起こせるんですね…」
もっと勝ちたい。強くなりたい。
でも何か物足りないと感じている方へ
http://rs39.net/c/bk/ckkn_3/bl/
■プレーを分解して指導する!松本流ファンダメンタル練習法
未経験者ばかりの公立校バスケット部が情け容赦なくシュートを決めて、
14年で7度も全国大会に出場した秘訣は、意外に簡単なこの練習法です。
http://rs39.net/c/bk/ckmt_1/bl/
■プレーを分解して指導する!松本流ファンダメンタル練習法2
なぜ、この練習法を真似するだけで忙しい先生でも、
3ヶ月で、新入部員に「ゆるぎない基礎」を習得させられるのか…?
http://rs39.net/c/bk/ckmt_2/bl/
■シュートマジック~試合で落とさなくするシュートの打ち方~
なぜ、たった2つの心構えで、
シュートが落ちなくなる、2つの原則が身に着くのか…?
http://rs39.net/c/bk/cksy_1/bl/
■スキルアップシューティングドリル
もし、経験のなさが子供を成長させると信じてくれるのであれば、
子どもたちが自動的に上達し、試合でシュートが決まる練習法をお伝えしますが…
http://rs39.net/c/bk/cksy_2/bl/
■古武術バスケ ~得点力が飛躍的に変化する!オフェンスの章~
今まで指導してきたオフェンスとは180度異なる、
得点力を数倍に跳ね上げる“非常識な上達法”とは…?
http://rs39.net/c/bk/ckkn_1/bl/
■古武術バスケ ~攻撃的なフットワークで相手を封じる!ディフェンスの章~
なぜ、この「足の力を使わない」ディフェンスは、
相手をカンタンに封じ込められる上、チームの得点力を2倍にできるのか…?
http://rs39.net/c/bk/ckkn_2/bl/
■アーリーオフェンスマニュアル~考えて走るチームをデザインするチーム創り
なぜ、初心者ばかりの弱小バスケット部が、
わずか2年で「近畿大会ベスト8」入りを果たすことができたのか…?
http://rs39.net/c/bk/ckks_1/bl/
■Practice Training For TransitionGame
なぜ、「10本中6本はシュートを外す」、
決定力の低いチームが、背の高い相手をらくらく封じ込め、
試合に勝てるチームに変わったのか…?
http://rs39.net/c/bk/ckks_2/bl/
■勝利へのゲームデザインマネージメント
私が、どうやって、昨年初戦敗退の一般校を1年でシード校に成長させたか?
その方法を公開します。
http://rs39.net/c/bk/ckks_2/bl/
■ディレイオフェンス
なぜ、シュート成功率が低く、1試合走り続ける
体力もないチームが、全国3位になれたのか…?
http://rs39.net/c/bk/ckns_1/bl/
■インサイドオフェンスバリエーション
170㎝以上の選手がいない一般校の女子バスケ部の得点力を2倍にした方法を公開
http://rs39.net/c/bk/ckst_1/bl/
■インサイドオフェンスバリエーション2
インサイドプレーの完成度を飛躍的に向上させる
アウトサイドから展開する「22のオフェンスパターン」を公開!
http://rs39.net/c/bk/ckst_2/bl/
■Greatest Dribble (ドリブルメガネ付)
ドリブルを思い通りに操るセンスと、試合で使えるテクニックを身に付けて、
例えビギナーでも経験者を追い抜く方法とは?
この下にある答えにあなたはきっと驚くことでしょう…
http://rs39.net/c/bk/ckot_1/bl/
ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら