【梅原トレーナーのからだづくり哲学】新入生を見て思うこと
令和6年度が始まり、部活動にも新入生が新加入しました。
毎年のことであり、いまの2年生は昨年の新入生ですし、さらにその1年前は3年生がそうだったわけですが、この全員が経験する「新入生」「新入部員」というものを、私は外から長年、見てきました。
ありのままを言うと、新しくメンバーに加わった選手らが早く全体に溶け込むチームは安定しています。
そして強くなっていきます。
反対にそれが遅いチーム、不慣れを是としているチームは・・・・・・・
すいません、正直に申し上げてうまくいきません。
競技的な面で策を講じ努力していても、じつはこういうところが足かせとなって思うように発展していかないと、現場で何度も体験してきました。
とくに昨今、新入部員について先輩があまり面倒を見ない、手を差し伸べ世話をして「こんなチームだよ」と勝手を教えてあげることもなく、無関心でいる様子があります。
特定のどこかの話ではなく、全国的に広く当てはまることです。
兄貴分、姉貴分の役割を、完全に放り出した様子がうかがえます。
新入生を育てる役割
チームづくりと言うからには、試合に勝っても負けても、強くても弱くても、集まった仲間同士でチームそのものを固めていくことを意味します。
ただバスケットボール・プレイヤーとして、駒としての役割しかなく、それが寄せ集まっただけなら組織とは言いませんし、成り立ちません。
優秀選手を寄せ集めたチームであっても、ただそれだけでは勝つことは難しく、戦術的な疎通をはかるのでもまだ足らなくて、集団で活動することの強みを活かす必要があります。
集団の強みとはなにか。
それは第一に息が合うことです。
第二に教え伝えていくこと。
そして第三には支え共にすることです。
少なからずこの三つがあることに、チームづくりの意義を見出せると私は考えます。
そのひとつである「教え伝えていくこと」は、コーチが選手にするものでしょうか。
大人が子どもにするものですか?
選手のなかのことは、基本的にどこまでも本人たちの世界です。
大人が出る幕ではありません。
チームのよいところ、頑張ってきたものや大事にしてきた精神を繋げていく努力は、先輩が後輩におこなうものなのです。
新入生をほったらかしにすることは、先輩としてとても冷たい行為であり、自分たちをも苦しめる油断であると、いつも上級生に話します。
それはとくに、ひとつ上の2年生に向けて。
次のチームづくり
中学と高校では、3年生は最後の夏です。
これまでの過ごし方はどうであれ、すべての3年生にとってその思いは特別なものでしょう。
引き継ぎも考えねばなりませんし最上級生としてしっかりまとめ上げてもらわねばなりませんが、そうであってもゲームに集中させてあげることは優しい考え方だと思います。
ビシッと仕切ってもらった上で、自分たちの最後の青春を駆け抜けてもらう、3年生はそれで十分だと思います。
そうなれば2年生の出番です。
実力があってゲームに出る選手も当然いるでしょう。
主力の場合だってあります。
競技的な面では3年生と同じ立場かもしれません。それでも心の余裕は大きく異なります。
どの立ち位置の2年生であっても、チームのなかの中堅は新入りを育てるのが仕事です。
2年生が面倒を見なければ、誰も世話する者がいないのです。
そして近いうちに、この2,1年生で新チームを組むときがやってきます。
ふた学年で次のチームづくりをしていくのですから、しっかりと世話をして早くチームに溶け込むよう努めていく必要があります。
もしそれをなおざりにしてしまったら、大きな代償を払うことになるでしょう。
4,5月が勝負
強いチーム、伸びていくチームには、技量だけではない見えないパワーが備わっています。
人間のパフォーマンスはそのスペックどおりに発揮されるものではなく、もろいし崩れやすい性質があります。
それは誰しも理解しているところです。
チームづくりならば一層、多くの人が動くのですから気をつけねば引き締まらず、まとまりません。
各々が身勝手に振る舞えば、物事は遅々として進まないのです。
そして見る見る関係が薄くなり、だらしなくなっていきます。
そうなることが目に見えているから、新入生には初めに勢いをつけてあげる必要があります。
頑張っている様子を見せ、練習の中身を早く覚えさせ、ムードや空気感を伝えてあげるのです。
それが2年生の役割です。
さて今年はどのチームが一番にまとまるでしょうか。楽しみです。
(了)
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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