【梅原トレーナーのからだづくり哲学】血を鍛えないと体力が上がらないケースもある
スキルアップ トレーニング フィジカル(身体) 梅原 淳 食トレ
私はからだづくりを教えるとき、必ず食事や体温などにも目を向けるよう話します。
それは栄養摂取について言っているのではありません。
からだづくりは血液と強く関係しているのです。
血中がどのような状態なのかによって、力の出具合やスタミナのつき具合が大きく変わります。
つまりそれは、体型がどうなるかも決まっていくということです。
アスリートや若い選手のみならず、現代ではからだを鍛えることがブームになっています。
病気やケガの予防、アンチエイジング、理想の体型づくりなど目的は様々ですが、老若男女みなが筋肉を鍛えるようになりました。
それならば、大事な「血」について少し話そうと思います。
供給網
生命を維持するためには、ひっきりなしに造りまた循環させる必要があります。
つねに新しいものに変えていく作業が、からだのなかで行われています。
そのための材料を運ぶのが、血です。
酸素を運び、グリコーゲン(糖)を運び、数多の必要物質を全身くまなく、各所へ届けるのです。
もし血のめぐりが悪くなるとどうなるか。
まさか我慢して細々などという程度で済むはずはありません。
物資やゴミの運搬が滞れば、それが直撃して器官の働きが弱まることになります。
これがなにを意味するのかは、あなたも知るところだと思います。
いわゆる体内の物流システム
体内各所の機能が落ちれば、生き生きとしたエナジーが発せられなくなり、さらに悪いことには毒となる汚れた老廃物が排出されずに溜まっていく不幸が起こります。
それらは臓器や関節にこびり付くだけではなく、血液にも残ります。からだのそこら中が汚れるのです。
これは比喩的に表現しているのではありません。
口に入れたもので不要なものはゴミであり、それが排泄されれば良いですが、私たちはうまく流れていかず滞留しこびり付いていく物質を、日頃からたくさん体内へ入れているのです。
血中にそういった不要物質が増え、カスも増えれば、血液の流れが悪くなって運搬が遅くなります。
それは運動にもモロに響いて、酸素が運ばれず、糖をはじめ必要な栄養素が充分に届かない状態をつくってしまいます。
血液が回らないかぎり、どれだけ運動で代謝を促しても反応は鈍いでしょう。
血にゴミが多い人は運動自体も人一倍きつく感じるし、回復が遅れ、トレーニングの成果もいまいちかもしれません。
鍛えた成果は血で決まる
暴飲暴食と運動不足のお父さんがダイエットをするのを想像すれば分かりやすいですが、実際は男女関係なく、10代だって同じリスクは生じます。
年齢による差は当然として、若いから血がきれいである確実性など、まさかありません。
これを読んでいる10代アスリートのあなたは、走り込みの成果や筋トレの成果、そういったからだづくりを頑張った分、ちゃんと正しく伸びているでしょうか。
いつもゼーゼーハーハーといっこうに体力がつかない人がいたら、ひとつの原因として血液に着目してみるべきかもしれません。
疲れやすい人、風邪をひきやすい人、スタミナや筋力が伸びない人は、違う視点を持ち、アプローチする部分をかえてみることです。
安易に、頑張りが足らない、食べる量が少ない、遺伝的な特徴みたいなものに落とし込まないようにしましょう。
もちろん、それが理由の場合もあります。
しかし本当に、血の状態によってからだづくりの伸び方が変わるのです。
走り込みが足らなくて体力が乏しいのではなく、血の悪さのせいで落ち込みが大きいのかもしれません。
体力づくりに力を入れているのにイマイチ伸びが悪いと感じている人がいたら、血の巡りを良くすることに取り組んでみてください。
日課とする
まずは口に入れるものを全般見直すこと、水分も含めてのことです。
そしてからだを温めること。血流の促進は体温によっても左右されますので、食事で体内を温める以外でも体温を上げる努力をしましょう。
この二つを、毎日のルーティンとして必然の行動とすることが、一番重要な点です。
習慣化されるのが取り組みの完成ですので、忘れないよう気をつけているうちは成果もわずかです。
決めた一つを欠かさず毎朝毎晩、必ず行うようにしましょう。
1年経ったらものすごく大きな変化に、きっと驚くはずです。
(了)
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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