【梅原トレーナーのからだづくり哲学】活気のある練習は行動の繋ぎ目がひと味違う

梅原 淳 練習法

練習時間の長さで成果を考えることは、多く場合においておそらく無意味です。

でもその上で、いまの日本におけるバスケットボール競技の範囲で申し上げれば、基本的に短いほうが比較して良い成績を生んでいるように思います。

意外ですが、時間の長い練習はさほど有利でも無さそうです。
たくさんの時間があっても、無駄なく使っている人などわずかじゃないでしょうか。

目安として3時間を一区切りとすることが多いと思います。
それより短いと「足らない」と感じ、長いと「足りている」と感じるでしょう。

でも実際に3時間はどのくらいの価値なのか、3時間は短いですか?それとも長いですか?

これは練習の中身の濃さで100にも0にもなるでしょう。

日常で考えてみる

たとえば自宅なり学校なりを掃除するときに、それを3時間すると考えたらどうですか?

当然一人です。
目一杯にゴシゴシと拭いたり履いたりし、きちんと清潔に整える作業を連続して一気に3時間行うのです。

たまの水分補給しか休憩はありません。引っ切りなしです。
いまの部屋が終わったら次は隣、またその隣があります。

とにかく3時間、ちゃんと「淀みなくピカピカにする」という成果を出すことが課せられています。

どうですか?もしその状況を想像できるのなら、さらにハードであるスポーツの練習を全力で3時間するのが容易なことではないと、理解できるはずです。

すなわち、もとより4時間5時間など無謀なのです。

長時間が良いこともある

でもそれがなぜできるか?

答えは2つで、練習の中身が捗るか、中身が穴だらけかのどちらかです。

楽しくて熱中することって、幼い頃に多かった記憶がありませんか。
昼間だったはずなのに、あっという間にあたりが暗くなっている。

もしくは気合が入っていて集中力と踏ん張りが続き、ハードワークをやってのけると達成感がありますよね。

長い時間でも乗り切ることができたというご経験もあるはずです。

いずれも中身が濃く成果的です。
練習課題が捗るのです。

その時間内で見る見る良くなっていくから、つい長くなります。

この場合、一辺倒に「練習時間が長い」として封じることは愚策です。

本当は時間の問題ではなく

反対にいつも長々と練習している人もいるでしょう。
心身において簡単なことではないのに、どうしてそれを常にできるのか。

長い分、その中身をうすく伸ばして体力を温存しながら練習している場合があります。
決して稀なケースではありません。

長時間であることに頭が縛られ、それだから体力がつくとか、練習を追い込めていると思いたいのは理解できます。

でも一方で、それは無意味でもあります。

現実には自己満足だからです。

練習全般の取り組み方を見ていて、真剣そして精力的に練習している時間がどれくらいあるでしょうか。

もし、ゆるくて気の抜けている場面が多いのなら、それが成果成長を阻害しています。
そのような長時間練習はマイナスでしかありませんから、すぐにやめるべきです。

あえて長時間を計画するならば、その狙いが果たされるよう細心で臨むべきです。
物事の上達には、気の高まりも重要な要素なのです。

梅原淳クリニックはどうか

ちなみに梅トレの場合は、時間が短縮されるように努力しています。

クリアな段取り、迅速な準備かたづけ、直感的な素早い判断と移動に努めて、勢いのあるワークアウトを心掛けています。

手際よく練習が進行するようにいつも身構えていると、からだは見る見る成長していきます。

本当です。

課題に意識を集中した良い練習を行いましょう。それがド真ん中です。

(了)

 

この記事を書いた人梅原淳梅原 淳
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。

 

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