【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 トレーニングレポート No.145「スクワット・バリエーション(前編)」
こんにちは、梅原淳です。
今日はスクワットのバリエーションを紹介します。
これを単に目新しさと捉えないでください。
動きを変化させる事で「立つ−しゃがむ」の動作に対してその方向、タイミング、力加減、スピード、空間的かつ立体的なからだ(体幹)の向き、そういったものが肌身に実体験され、刺激となり、より適応力の高いスクワット動作を掴むことができます。
ここでご紹介するものは、運動技能向上を目的としたトレーニングであり、バスケットボール技術とその競技能力を伸ばすことを目指すものです。
フロント・スクワット
これは私が、新入部員へ導入として教えるトレーニングのひとつです。
股関節へ体重を掛けてしゃがむ重要な感覚を覚えつつ、そのときの上半身がプレイを行える良い体勢を維持できるようにするための取り組みです。
真っ直ぐな背骨をつくること、さらに前方へバーベルを持つことで、腕と肩を上げなくてはいけません。「立つ−しゃがむ」の動作をとくにジャンプ動作へ活かす際に、腕と背中がよく振れるようこのトレーニングをおこなっています。
オーバー・スクワット
これもフロント・スクワットと狙いは同じです。それよりもさらに背中から肩に掛けて負荷が強い、つまり「体勢をつくる難易度」が高くなっています。
とくに背骨の上部、胸椎から頸椎にかけて伸びない人がいて(私も変な曲がり方をしています)、背中の力を跳ぶ局面に加えられないという弱点が生まれています。
脚の力だけで跳ばざるを得ないということです。それでも高く跳べますが、脚への負担は大きく怪我のリスクも高まります。
背中でスウィングする動作、上へ伸びる推進力を使って跳ぶ技術を身につけるため、(1)伸びた背中そして(2)股関節での「立つ−しゃがむ」、この二要素の融合をこのスクワットでつくっています。
スモウ・デッド・リフト
最後はちょっと名前が別のものですが、動作としてほとんどスクワットと同じなのでご紹介します。
力士の四股踏みの格好を真似て、足幅を広く取り、股をパカッと割ってしゃがみます。はじめはあまり広がりませんが、これが少しずつ大きくできるようになっていきます。
足幅を広げるだけならば、どんなに股関節動作が狭い人でも難しくはありません。肩の二〜三倍くらいは誰でも可能です。
それは股関節が動く、広がるとは言わず、捻りが入ったときにそうできることが運動においては肝心なことです。
つまりしゃがんだ際に膝が垂直に立つこと、股割りができることが股関節の本領ですので、膝の屈伸に頼らない広い足幅を取り、股関節へ充分な負荷を掛けて可動域を増やしていきます。
ここでは最初の二つのスクワットとは別の「どこまで股を広げられるか」が、もっとも重要な課題となります。
動作によるトレーニングの良さを知ろう
今回は三つとも似たような格好のトレーニングでしたので、次回は別の動作をご紹介しようと思います。
種目としてはジャンルが「ランジ」という名称になります。ただ「立つ−しゃがむ」という基本的な動作は同じですので、知っておいて組み合わせで効果をさらに高めると良いでしょう。
主旨を明確にするために、ここでは重量や回数などには触れません。軽いものでも良いですし、なにも持たなくとも充分に負荷が掛かることもあります。人それぞれです。
無理なく少し重いかな、くらいの設定で行えばベターですので、あなたの裁量にお任せします。
それではまた次回!
運動技能を向上させる専門家として、またバスケットボールでのファンダメンタル・スキルを教えるコーチとして全国各地に出向いています。またその活動から得た日々の思考や発見を、YouTubeなどSNSを活用して情報配信しています。このコーナーで扱う内容は、それらSNSでは記さない一歩踏み込んだ情報として、トレーニング実践レポートをはじめ自分の育て方、大人の再教育、子育て、健康づくり、みなぎる食事など、あらゆるジャンルをテーマにお届けします。
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