【梅原トレーナーのからだづくり哲学】 トレーニングレポート No.144「単関節トレーニングより全身で」
こんにちは、梅原淳です。
筋肉をつくるとき、たとえ単一的な動作で大きく刺激が入っても、動きが取れないのではあまり意味がありません。
単関節動作(肘や膝など関節の一つだけが使われる動きのこと)では、ひとつの筋肉へ強い負荷を掛けられますが、それがスポーツ技能つまり競技力を向上させるからだづくりであるかは断定できません。
だからトレーニングを考えるときの優先順位は、まず全身的な動作でまとめて筋肉を使うようにすることです。
結集させることが最善の方法であり、さらに動作も型をきっちり縛りすぎて限定的にならないようにしましょう。
つまり反動を使って勢いをつけても、反対側で補助しても構いません。
一部分へ集中的に刺激(負荷)を入れることはやめて、運動技術能力を発達させるべく全体的に鍛えていくことが実りも大きくなります。
単関節でのトレーニングだと、重量を増やしすぎて関節の可動域が小さくなることがあります。
たとえば上腕二頭筋を鍛えようとアームカールをおこなった場合、重すぎるバーベルでは肘がほとんど動きません。
動いていないのに、重量だけでなぜか満足を感じる傾向があります。
実際は重すぎて関節は動いていないし、関節は動かなければ運動には寄与しません。
これは単関節トレーニングによる悪影響の一面です。
さらに私たちが体を使うとき、それがスポーツでも日常でも、関節を一つだけ使うようなことは多くありません。
前述のアームカールで言えば、肘だけを曲げるような行動を果たしてどのくらいイメージできるでしょうか。
やはり小さな動作でも全身で動くなかでの連動した肘の曲げ伸ばし、といったようにからだは働きます。
動作の操作能力を上げるためには、部分よりも全部を使って動きを取ることが自然なのです。
もちろんそれがすでに身についている人が、さらに個別に鍛えていって筋出力を上げることは有益です。
単関節トレーニング自体を否定しているのでは、断じてありません。
ただし関節をひとつずつ鍛えて最後はすべての関節が強くなるというのは、動作能力のベースがあることが条件です。
つまりある程度の運動技量の高い選手での話であり、これからからだの使い方も練習していこうという段階の人はうまくいきません。
とくにまだ技術が未熟であることの多い若年層は、筋肉づくりをするときにも単関節にはせず全身で動きを取ってウエイト・トレーニングをする方法がベターです。
それでは一例として、私のところで実践している全身的トレーニングをいくつか紹介致しましょう。
種目ごとの解説などはしていませんので、雰囲気だけでご容赦ください。
今日はここまで!全力で応援しています!
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