小谷コーチの【分析バスケ】「T0/40MIN」を分析する

こんにちは！小谷究です。

私は現在、流通経済大学スポーツコミュニケーション学科で助教を務めています。また、同大学バスケットボール部を指導しています。

このメルマガでは、バスケットボールを分析する方法について一緒に勉強して行きましょう。

前回は「AS」の評価について「TO」で除した「AS/TO」を用いる必要性について紹介しました。

今回は、「TO」に着目します。

「TO」を評価する際には「TO」を出場時間である「MIN」で除したものに1ゲームの時間である「40」を掛けた「TO/40MIN」を用いることでより正確な評価をすることができます。

「TO/40MIN」は40分出場した場合のターンオーバー数を意味します。

したがって、1ゲームの時間が48分のNBAでは「TO/48MIN」になります。

例えば、「TO」が3のプレーヤーが2人いたとして、一方は「MIN」が10、もう一方は「MIN」が40だったとします。

「TO」のみで評価すると、2人は同じ1ゲームで3つのターンオーバーをしたプレーヤーになります。

しかし、「MIN」が10のプレーヤーが、「MIN」が40のプレーヤーと同様に40分間フルでゲームに出場したとします。

すると、12のターンオーバーをしてしまうことが予想されるのです。

「TO」が3のプレーヤーと12のプレーヤーでは評価が大きく異なるでしょう。

したがって、「TO」よりも「TO/40MIN」を用いたほうが正確にプレーヤーを評価することができるのです。

【「T0/40MIN」の実際】

実際に、Bリーグ2018-19シーズンにおけるランジングゼファー福岡のマーカス・ブレイクリーの1ゲームあたりの「TO」は6.3、レバンガ北海道の山本柊輔は2.2になります。

この「TO」だけで2人を評価すると山本柊輔のほうがマーカス・ブレイクリーよりも「TO」が少ないため、ターンオーバーに着目すると山本柊輔のほうがマーカス・ブレイクリーよりも優秀であるといった評価をすることになります。

しかし、山本柊輔の1ゲームあたりの「MIN」は10:27であるの対し、マーカス・ブレイクリーは36:18と山本柊輔の3倍以上もの出場期間を記録しています。

そこで、「TO/40MIN」を算出すると山本柊輔が8.3、マーカス・ブレイクリーが6.9になり、出場時間を40分に揃えて比較した場合には、マーカス・ブレイクリーは山本柊輔よりも1本以上もターンオーバーが少なくなります。

つまり、ターンオーバーに着目するとマーカス・ブレイクリーのほうが山本柊輔よりも優秀であるといったように評価が覆ることになります。

このように、ターンオーバーを評価する場合には「TO」のみよりも、出場時間を揃えた場合の指標である「TO/40MIN」を用いたほうが、より正確に評価することが可能になります。

「TO/40MIN」もエクセルを用いてセルに計算式を入れておけば簡単に算出することができます。

読者の皆さんも、是非一度「TO/40MIN」を算出してみてはいかがでしょうか。

 

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