【片岡編集長のプレイブック】-戦術4-Latvia1

今回は、FIBA EuroBasket 2017の準々決勝、大熱戦となったLatvia 対Slovenia vより、下図のような定番のクロススクリーンを扱います。

上図のプレーは、あまりにもバスケット界で有名なプレーであり、説明をするまでもないかもしれません。
その後、スクリナーにトップからダウンスクリーン（Screen to screener）も非常に有名です。

本稿で紹介するのは上図のプレーを応用したLatviaのオフェンスです。
ポイントは、サイズのミスマッチを引き起こすように、シンプルかつ絶妙なスペーシングがデザインされている事です。

Latvia（FIBA EuroBasket 2017より）

 

動画1

＊DFチームも非常に絶妙に対応し、とてもハイレベルな攻防になっています。
まずはオフェンスチームの動きだけに注目してください。

 

動画2

＜解説＞

＊注　Latviaの「5」番はクリスタプス・ポルジンギス（221cm）です。
・横方向のスクリーン（AIカット）をセットし、ウィングでボールレシーブを強調。
・インサイド同士ではなく、2番と5番のスクリーンになるようにセットしている。
・スイッチをしてしまった場合、5番対2番のマッチアップになる。
同じような戦略を持つチーム同士で対戦する場合、多くの場合でミスマッチになるケースが多い。
・スクリナーの2番に対しても、ダウンスクリーンをセットしている。多くの場合、この位置ではアウトサイドのシュート力や、ドライブの力を持つ選手が多く、得点が期待できます。
＊上記の動画1では、スイッチやバンプを駆使して守るスロベニアに対し、ラトビアが反対サイドへとスキップパスをする事で対応をしました。
＊動画2では、スクリーンの対応ミスを誘い、ゴール下でのeasy shotへと繋げました。

 

＜まとめ＞

昨今のバスケットでは、Miss Matchを狙う事が非常に大切な要素になっています。
ポストプレーで押し込めば、そのまま得点が見込めますし、ダブルチームなどで防ぎに来ればアウトサイド選手の3Pシュートやカウンタードライブを狙えます。
有名なクロススクリーンを使う場合も、サイズのミスマッチを引き起こすように設計する事が重要です。

もし、チームで導入されているオフェンスについて、サイズ差の無い4番と5番のスクリーン、2番と1番のスクリーンが多い場合、サイズ差を織り込んだ形式でデザインされると面白いかもしれません。

＊チームに極端に大きなインサイド選手がいる場合は別です。

 

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